SICF23 The "Shinji Ohmaki Prix" Award
この度、スパイラルホールで開催されたSICF23(Exhibition部門 A日程 2022. 5/3 - 5/5)にて、大巻伸嗣賞を受賞しました。
絶えず激しい光の点滅とノイズが流れ続ける作品ですが、観に来てくださった多くの方々が「心地いい」「とても楽しめた」とお話しされたことが印象的でした。審査員やクリエイターともこの空間をとおして深いコミュニケーションができ、作品の、ひいては自分自身の知りえなかった特性を初めて知れることもできました。
このような賞をいただき大変嬉しく思うと共に、作品をご覧いただきました皆さま、関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。(受賞コメントより)
このような賞をいただき大変嬉しく思うと共に、作品をご覧いただきました皆さま、関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。(受賞コメントより)
<作品について>
時代の流れとともに、あらゆるメディアや物事は更新され蓄積され、ときに途切れ忘れられ消えてゆく。ゆえにふるい物質や価値観は、現代における異質なものとして驚きと新しさを想像してもくれるし、自身を取り巻く関係性の原初的な感覚を呼び起こすのかもしれません。
作品は、それぞれ5セットのAMラジオ、蛍光灯・蛍光灯器具、スピーカー等のアナログ機器から構成されています。蛍光灯は劣化して完全に切れてしまう寸前の「明滅する」ものを各所で集め用いました。
ラジオは音声放送をリアルタイムに受信しようとするも、チカチカと点滅する蛍光灯(の起電力/電圧変動)によって受信直前の不可視の電波に干渉し、さまざまなノイズが混信したままスピーカーから発音・可聴化されます。またそれぞれの蛍光灯の角度(向き)は、その場において地面から「上」を北と見立てた際のラジオの受信角をあらわしています。
干渉すなわち対立・衝突の知覚化が、聴こえたり聴こえなかったりする数多の呼び声として空間にリアルタイムに生成され続けると同時に、流動する社会や個の位置関係を相対化させようと作品に試みました。