上野悠河 個展 「時に、糺そうとする」 終了いたしました。
2021 5/17 - 5/22 Gallery K
展示にご来場くださった方々、展示情報をみてくださった方々に感謝申し上げます。
本会期は新型コロナウイルス緊急事態宣言中であり、ギャラリー側も時短営業のかたちでオープンしておりました。
特殊で、クローズドな一週間だったともとれますが、ゆえに“インスタレーションの現場性”について問いをたてて考える契機にもなりました。
オンラインで作品を閲覧・聴取できる環境は今に整備が始まった未成道ではなく、SNS(とりわけインスタグラム)や音楽サブスクリプション・サービスなど既に普及されたメディアとなって活用されています。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために外出を規制する(される)上で、オンライン・コンテンツはより普遍的なスペースへと順応してゆきました。NFTアートが(流行に後進的な)日本で注釈の要らないほど知られわたった時期でもあったことを、記録がてら書き留めておきます。
ここに、空間性を重んじる狭義のインスタレーション・アートや、さらに時間性を必然とするコンサートのたぐいに“べつの難しさ”が提示されました。旧来のかたちをヴァーチャルに再現すれば、切りがないほど問題が挙がります。
そもそも、作品が自立する公的環境のあり方とその多様性を、プロ/アマチュアかかわらずアーティスト自身が選択してプログラムできる時代です。なんでもできて、なんでもできない、からこそ。(定義的に)拡散されつつある「百聞は一見にしかず」の内容を拡張することで、アイデンティティは空間的・時間的作品にどう当てがわれるのか、さいきんは考えています。
「至急、現場に急行します。」と、或るポリスは云いました。
どこへゆくのでしょうか。
あと、この一週間は「雨の降らない日はなかった」ほどの天候でもありましたが、それでも多くの方の眼に留まってくださったようで、作家冥利につきます。
虹も、シルヴァー・ライニングも見えました。
ジャンク・ノートより
うえの・ゆうが