Yuga Uéno solo: Spirit of Mass
Yuga Uéno solo: Spirit of Mass
2026年、6月末・7月末に、千葉県印西市の「ギャラリー わらね」にて個展が開催されます。
美術の世界、とりわけインスタレーション・アートにおいてハードな素材が多く扱われたとき、どこかに「強靭な身体」の存在を意識してしまうことがあります。「重いものを作り構築できるのは、力強い身体を持つ者である」という一種のバイアスに、ながらく私は無自覚にとらわれていました。
表現の可能性は、肉体の強さに依存するのでしょうか。
本展は、こうした「重さ」にまつわる先入観に対して、個々の作品をとおして自問してゆく試みです。光や音を発生させる装置、そして“もの”の放つ確かな存在感から、作品と身体の間に漂う不可視の気配、すなわち「精霊」に、静かに触れてみたいと考えています。
いまここに、すべての音の、光の源流の、“重さ”をたしかめよう。




時々に、『よくこんな重い素材を作品にできたね』といわれる。その重さには、作者の“体格”にたいして比べられた意外性をニュアンスにもっていた。
作品と身体(作者)の関係性には、とくにハードなメディアをしばしば用いるインスタレーション・アートでは、無自覚に、あらゆる「質量」が変数的にあてがわれるのかもしれない。
ここに波を立ててみる。
重さは、作品と作者に、展示に、どれほど響いているのだろうか。
本展は、光や音を発生させる機械とその現象、それから“もの”を選びつくる身体性に、「質量」を検討させるこころみである。
上野 悠河 Yuga Uéno
1997年千葉県生まれ、千葉県在住。
現代音楽への関心やオーケストラの打楽器に所属していた経験から、1960〜70年代の美術史研究を経て、現代における人間や「もの」の複雑な振る舞い、関係性、有限性に焦点を当てた作品を発表している。美術や音楽に関するほとんどすべての技術を独学で習得した上で、レディ・メイドの道具や機材、その機能を実際に利用し組み合わせたサウンド・アート、インスタレーション・アートを主軸に表現している。
近年の展示に、「千葉国際芸術祭2025」、個展「独奏・曲・のための・奏者」(あをば荘/東京)、個展「ものたちは、歌い、蔑み、愛し合った」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷傳兵衛稲毛別荘/千葉)、「SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展」(スパイラル/東京)など。
「ClafT(中央線芸術祭)」に2021年から参加・出展。また「SICF23」大巻伸嗣賞、「第二回ISAC国際作曲コンテスト」 Special Prize (Special Mentioned)、「島村楽器 録れコン2022」グランプリなど、展示/受賞多数。